「動かない鳥」として一躍有名になったハシビロコウ。あの独特のクツ型のくちばしと、彫像のような姿を、日本でも実際に見ることができます。

この記事では、日本国内でハシビロコウに会える主要な動物園と、じっと動かない姿を活かした「観察のコツ」、そして訪れる前に知っておきたい豆知識をまとめます。
ハシビロコウとは(10秒おさらい)

ハシビロコウ(Balaeniceps rex)は東アフリカの湿地に生息する大型鳥類。全長約1.4m、翼開長2.4m。数時間微動だにせず獲物を待つ狩猟スタイルから「動く彫像」と呼ばれています。
IUCNレッドリストではVU(危急種)に指定され、世界の推定生息数は5,000〜8,000羽。日本の動物園で会えるのは非常に貴重な機会です。
日本でハシビロコウに会える動物園リスト

1. 掛川花鳥園(静岡県掛川市)
ハシビロコウ飼育の代表格。間近で見られる距離感と、飼育スタッフの詳しい解説が魅力。花鳥園全体が室内型で天候問わず観察可能。
- 公式サイト:https://k-hana.com/
- アクセス:JR東海道線・新幹線「掛川駅」南口から徒歩約15分(無料シャトルバス運行)
- 特徴:屋内展示中心・雨天OK・冬季でも観察快適
2. 千葉市動物公園(千葉県千葉市)
関東で確実にハシビロコウに会える施設。広々とした展示スペースで、自然に近い姿を観察できます。
- 公式サイト:https://www.city.chiba.jp/zoo/
- アクセス:千葉都市モノレール「動物公園駅」下車すぐ
- 特徴:レッサーパンダ「風太くん」でも有名・広大な園内
3. 神戸どうぶつ王国(兵庫県神戸市)
関西エリアで人気の花鳥園型施設。ハシビロコウを含む多様な鳥類を至近距離で観察可能。屋内型で快適。
- 公式サイト:https://www.kobe-oukoku.com/
- アクセス:ポートライナー「計算科学センター(神戸どうぶつ王国)」駅直結
- 特徴:屋内・屋外エリアあり・エサやり体験豊富
4. 高知県立のいち動物公園(高知県香南市)
四国唯一のハシビロコウ飼育園。動物福祉に力を入れた展示で、じっくり観察したい方におすすめ。
- 公式サイト:https://noichizoo.or.jp/
- アクセス:土佐くろしお鉄道「のいち駅」から徒歩約20分
- 特徴:「動物福祉」を重視した先進的な展示
5. 松江フォーゲルパーク(島根県松江市)
山陰地方唯一の花鳥園型。ハシビロコウ以外にも珍しい鳥類が多数。宍道湖観光と合わせて訪問可能。
- 公式サイト:https://www.matsue-vogel.jp/
- アクセス:一畑電車「松江フォーゲルパーク駅」下車すぐ
- 特徴:宍道湖畔・松江観光とセットで訪問可能
6. 上野動物園(東京都台東区)
飼育状況は時期によって異なりますが、公式サイトで展示情報の事前確認を推奨。首都圏で見られるチャンスがあります。
- 公式サイト:https://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/
- アクセス:JR上野駅「公園口」から徒歩5分
- 特徴:飼育状況は時期により変動・訪問前に公式サイト必須確認
※飼育状況・営業時間・料金は変動します。訪問前に各動物園の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。
ハシビロコウを楽しむための3つのコツ

コツ①:早朝〜午前中の訪問
ハシビロコウは朝の給餌時間帯が最も活動的。園の開園直後を狙うと、動く姿・翼を広げる姿・お辞儀行動を見られる確率が高まります。
コツ②:じっくり10分待つ
他の観光客が「動かない」と諦めて去った後、静かに待つと不意にまばたきや首の動きが。スマホは動画モードで待機推奨。
コツ③:くちばしの音「ビル・クラッタリング」に注目
ハシビロコウの求愛行動として、くちばしをカタカタ鳴らす音が観察できます。園内が静かな平日午後、耳を澄ませてみてください。
「動かない鳥」の秘密は動画で
なぜハシビロコウは動かないのか。その進化的意味を1分半で解説したYouTubeショートもあわせてどうぞ。
なぜ動かないのかを5つの理由に分けて詳しく解説した記事もあります。→ ハシビロコウが動かない5つの理由|『置物鳥』は湿原最強の待ち伏せハンターだった
訪問前の準備リスト
- 各動物園の公式サイトで飼育状況・開園時間を確認
- 望遠レンズ or 双眼鏡(じっくり観察用)
- 飲み物・帽子(屋外展示の場合)
- ハシビロコウ図鑑・関連書籍(訪問前に予習)
こちらの記事もどうぞ
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ハシビロコウは飛ぶのか?飛行能力の驚くべき事実
「ハシビロコウって飛べるの?」──動物園で置物のように立っている姿を見て、多くの人が疑問に思う質問です。答えは意外にも「飛べます」。しかも、翼幅は最大2.6メートルにも達し、大型の鳥類の中でも屈指の飛翔能力を持ちます。
飛行スタイルの特徴
- 翼幅: 230-260cm(大人の身長を超える)
- 飛翔速度: 時速約35km(ゆっくりと羽ばたく)
- 飛行距離: 数キロメートル程度の短距離が主
- 頻度: 野生下でも1日に数回のみ・餌場と休息地の移動時
なぜ「飛ばない鳥」と誤解されるのか
ハシビロコウが「動物園で置物」と呼ばれるほど動かない理由は、飛べないからではなく「動かない狩り」に特化した戦略のためです。彼らの獲物は主にハイギョなどの魚類。水面が波立つのを何時間も待って一瞬で捕らえるため、動かない時間が圧倒的に多いのです。
飛ぶ姿を見られる確率
動物園でハシビロコウが飛ぶ姿を見られる確率は極めて低いと言えます。理由は次の通り。
- 飼育スペースの制限(大きな飛翔はできない)
- 本能的に飛翔頻度が少ない種である
- 羽根の一部をトリミングされている場合がある(施設による)
ただし、餌やり時間や環境の変化があった時に、羽を大きく広げる瞬間を見られることがあります。動物園スタッフに「飛翔・羽ばたきが見られる時間帯」を聞いてみると教えてもらえることもあります。
参考文献・出典
- 上野動物園 公式サイト
- 伊豆シャボテン動物公園
- 松江フォーゲルパーク
- 掛川花鳥園
- IUCN Red List – Balaeniceps rex
- Cornell Lab Birds of the World – Shoebill
※本記事は上記の一次資料に基づき編集しています。誤り・追加のご指摘はお問い合わせフォームからご連絡ください。
編集部の考察:『会える場所』を選ぶ時の3つの倫理基準
ハシビロコウに会える動物園を編集部が推薦する時、単に「見られるかどうか」だけでなく、飼育環境の質を判断基準に入れています。第一に、湿地環境の再現度(水場・草陰・気温湿度管理)。第二に、繁殖プログラムへの参加有無(血統管理された国際繁殖ネットワークに加盟しているか)。第三に、教育プログラムの充実(生息地の情報・保全活動の紹介があるか)。本記事で紹介した6園はいずれもこの3基準を一定水準以上でクリアしています。動物園訪問は「珍しい動物を見に行くレジャー」であると同時に、間接的な保全活動への寄付でもあります。入園料が種の保全予算・生息地の現地支援に還元される園を選ぶことで、読者一人ひとりの訪問が野生個体群の存続に貢献します。本メディアは今後も「会える場所」記事において、この3基準を明示していきます。
この記事を書くにあたって
本記事の執筆にあたり、いきもの謎解き図鑑編集部は以下の資料を精査しました。動物学の分野は日々進歩するため、公開後も新研究が出た場合は追記・訂正を行います。誤りのご指摘はお問い合わせフォームからいただければ幸いです。
- 日本動物園水族館協会 種別繁殖計画
- BirdLife International 生息域外保全ガイドライン
- 各動物園公式繁殖記録


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